- 2025.07.07
- 2025.07.07

昨年(2024年)の10月から始まった現代人の指圧治療の必要性と題しての月一回のセミナー。その最終回を迎えるにあたり、6月13日・14日・15日、イタリアローマ ポリドリ先生のグループの生徒さんのための最終授業のためにローマを訪問しました。
月一回の週末授業ではありますが、金曜日の午後・土曜日・日曜日の計3日間の集中授業で、今回が9回目(2025年度)の授業で、ひと踏ん張りの授業となりました。
このクラスは、1年間の基礎クラスを終了した生徒を対象としています。すなわち中級クラスという事で今回は、実戦形式でベッド治療を主に、年間計9回の授業の最終となりました。
このグループのボスであるポリドリ先生の指圧歴は、私と同じで約40年に及びます。特に浪越指圧をこよなく愛して、浪越系の指圧大会には、グループの愛弟子を引き連れて、赤のTシャツで統一、浪越軍団のボスとして闊歩していたのを今でも思い出します。
2019年の日本指圧専門学校のセミナーに喉頭がんの治療中にもかかわらず、愛弟子を引き連れて参加したのを最後にパンデミック前に指圧道の歩みをストップして永眠されたのでした。
イタリアの浪越指圧の歴史は、彼の功績なしには語れません。その歴史を継承しているのが、今のポリドリグループをまとめているレンシアマデア先生です。



ヨーロッパの指圧界、群雄割拠の時代から現在まで
一昔前のヨーロッパの指圧界は、各団体が、一頃の日本のプロレス団体同様に群雄割拠の時代がありました。
そんなこともあり、その時期は、年に一回のペースで日本指圧専門学校から理事長を筆頭に、浪越雄二先生、小林秋朝先生、その他実技指導の先生方にわざわざヨーロッパに来ていただき、禅指圧、経絡指圧、大橋指圧、沖ヨガ指圧等との浪越指圧の違いを理解させるためにご足労を願った時代がありました。
浪越徳治郎100年誕生祭には、140人に及ぶヨーロッパの指圧師(主にイタリア人)が、日本指圧専門学校主催のセミナーをにぎわしたのは、今では夢のような出来事です。
パンデミック後、淘汰された指圧の団体が沢山あり、勢いが少々弱まった状況のここ数年のヨーロッパですが、自然淘汰が世の常、生き残った指圧の団体は、浪越系はもちろんのこと各自の路線で、それぞれの指圧を普及しているのが、ヨーロッパの現状です。
パンデミック後のヨーロッパにおける指圧
実際、パンデミック後、コロナの後遺症で悩む人たちが、指圧を受けることにより自然治癒力、免疫力の向上を望み、指圧の需要が増しているという現実がヨーロッパにはあります。こんなこともあり現時点のヨーロッパにおいての指圧普及率は、上向きの状態と言えます。
西洋医学の限界をEU諸国は、気が付き始めました。第3の医学、予防医学を再考察し始めました。年代の若いお医者さん層が、柔軟な頭をもって試行錯誤を重ねて叫び始めました。
ヨーロッパの国々の指圧の普及率(熱量)は異なりますが、フィジカルペインは勿論のこと、精神面の疾患(うつ病、引きこもり、多方面に及ぶ適応障害等)の対処に指圧の適応性の有無を臨床を通じて模索しているのも事実です。
スペインにおいても税務関係で、マッサージのセクションで処理されていた書類が、指圧という独立のセクションにて登録されるようになりました。指圧という言葉が、長年の普及のためにイメージできるようになったのだと思います。
イタリアを訪問するたびにタオ指圧の遠藤先生、医王会指圧の佐々木健先生、正気指圧の岸先生、宮本・宮下両先生(オランダ)、禅指圧の増永先生等の御活躍を、故人現役を問わずよく耳にしますが、全ての先生方が、浪越の卒業生です。
かれこれ約50年、浪越の卒業生が、海外雄飛して指圧普及を日々無言実行しています。この見えない確実な、浪越のつながりを改めて感謝しております。
塾SHIATSUPRACTOR 塾長 小野田茂
